映画「借りぐらしのアリエッティ」

   

昨日、ジブリの最新作「借りぐらしのアリエッティ」を見てきました。一緒に行った友人たちが「レディースデー以外では見たくない」とのことで水曜日になりましたが、実際…定価は出せない感じでした。残念です。。

先に良かったところを書くと、背景と音楽は良かったです。背景画は、期待を裏切らない美しさでした。アリエッティ目線の世界が、迫力とかわいらしさと美しさをもって描かれていたと思います。

また、音楽が思いのほか良かった。思いのほか、というのは、事前にテレビで主題歌などは聞いていてどこか物悲しさを感じて好きではなかったのです。それが、映画では非常に効果的に使われており、物悲しさ何ぞなく、奥行きのある世界を演出するのに一役も二役もかっていたように思いました。帰りに友達が「今回は久石譲さんではない…」と言っていてはっとしたのですが、そこがまったくマイナスにならなかったことに驚き。音楽に関しては脱・久石譲がうまくいったということでしょうか。



さて、何がいまいちだったかについて。私はキャラクターの心理描写が足りなすぎると思いました。そしてその足りないものを埋めるだけの話も無かった。ストーリー性が乏しいからこそキャラクターやその心理描写が大切になってくる話なのに大事な部分がごっそり抜けてしまったのでは、という印象でした。

私は翔が何を考えていたのか、アリエッティと出会ってどう心が変わったのか、そこがさっぱりわかりませんでした。二人が心でつながろうが、恋心を抱こうが、どちらの展開でも良かったと思うのですが、そもそも病気を抱えた翔がどういう気持ちを抱えて生きていたのかがわからなかったのです。そこが物語の出発点なのに…。

翔とアリエッティ、二人の最後の会話で翔が吐いたセリフには本当にがっくりきたのですが、後から冷静に考えると、そこに至るまでの説明がきちんとあれば、かなりいいセリフだったのかもしれない。あそこにこの作品の残念さ加減が集約されているのかもしれません。

宮崎監督が米林監督を大抜擢してこの作品を任せたというドキュメンタリーをNHKで見ましたが、見ていて思ったのが、作品を作り上げる能力と、いい作品をつくる能力って別のフェーズで、米林監督は「まずつくる」という部分で精いっぱいだったのかなと思います。年齢を考えるとそこまででもすごいとは思うのですが、いかんせん、ジブリの看板は重いのが気の毒。

残念ながらこの映画は興行的にうまくいくと思えないし、DVDは売れないだろうし、キャラクターも惹かれるものがなかったのでグッズ類もいま一つかなと思います。しかし、これを一つの過程として、またぜひ監督やってみて欲しいなぁと思います。

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