映画「リリイ・シュシュのすべて」

   

岩井俊二監督の映画「リリイ・シュシュのすべて」をDVDで観ました。岩井監督自身が原作のインターネット小説の映画化した作品です。

中学生の雄一と星野は友達だったが、夏休みの間の沖縄旅行や、星野の家の倒産などの事件を経て、豹変した星野はイジメグループのリーダーとなり、雄一もその対象になる。そんな中、雄一は歌手リリイ・シュシュのファンで、それを心の支えとする。自らファンサイトを運営し、他のファンと交流を続ける。やがて星野のイジメは犯罪となるような行為にまで発展していく。

私はこの映画を2001年の劇場公開当時にスクリーンで見たので、約7年ぶりになります。当時は、すごい映画だと圧倒されつつも、あまりにも心全体を押しつぶすような勢いに負けて、後味の悪さしか残りませんでした。気持ち悪くなってふらふらで、渋谷の映画館の階段から転げ落ちそうになった記憶があります。(いや、まじで。)同時期に小説も読んだのですが、映画が先か本が先か覚えてません。

その後、しばらく忘れてたのですが、ずっと心に引っかかっていて、岩井俊二ファンの人から「あの作品は彼の作品で一番」と聞いて、さらに気になっていたのですが、近所のツタヤはいつもレンタル中。縁が無いと思っていたら、先日1本だけ残っていたので借りてきました。二度目で筋もわかってるので大丈夫かな、と思いつつも、やっぱり怖いので気力・体力を蓄えていざ鑑賞。・・・それぐらい私には観るのに気合がいる作品なのです。



恐らく、この作品は人によっては不快感しか残らない可能性があります。それくらい、筋が刺激的で攻撃的なのです。イジメは、暴力的なシーンはそれほどひどくないのですが、言葉の暴力や、対象の追い詰め方が陰惨。この迫力あるスクリプトを書いた岩井監督が怖いくらい。中学生という幼さゆえの、さらなる残虐性をよく描いているのです。それを受け止められないと気持ち悪くなっておしまいかと・・・。

ただ、それを乗り越えて見えてくるのは作品の美しさとリアリティ。音楽と光と色の調和がなんとも美しいです。残酷なシーンに流れる静かなドビュッシー。空気の温度や密度まで伝わってくるような画面。さわやかな風も、息が詰まるような重苦しさも、全部伝わってくる迫力。全体的に画面の色数が少ないのですが、それが作品全体のトーンからもぶれていません。

そういった意味ではとても好きな作品かも。いや、まだ全部を受け入れたわけじゃないけど・・・。なにか、中学生のストーリーながらも、もっと私自身が大人にならないと冷静に観られない作品なのでは・・・と思いました。積極的には勧めませんが、重いのがOKな人は一度見てみては、と思います。

ところで映画はもっと長かったと思ったのですが、気のせいでしょうか。少なくとも小説に比べると「青猫」さんと「ふゆ」さんの描写がまったくないのがやや気になりました。重要な筋だと思ってたのですが、ばっさり落ちてました。そんなわけで、映画を観て良かったと思う人は本もぜひ読んで欲しいです。

あ。中学生くらいの蒼井優が出てます。好きな人は要チェックかも。

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